「あー…えーと、…常連、さん」

「……」



分かりやすいくらいに動揺しては、髪をかきながらそう言い繕うハルに心は一層ざわつく。



(…嘘)



何で、嘘つくの

何でよ



「…ハル」

「?」

「私のこと、好き?」

「…どうしたのいきなり」



笑って誤魔化そうとするハルに、私はその目をじっと見る。



「……」



好きの言葉は、出てこない



嫌になる

嘘ついて、誤魔化そうとする彼も

その一言に、縋ろうとする自分も