「あがってあがって!早く暖まりな!」

「……」



そしてバタバタと家へあがり、室内の暖房をかけた。そんな後ろ姿に続いて私も靴を脱ぐ。



「…、」



この優しさも、ただの性格

彼には普通

当たり前



「そういえば今日うちの店来た?先輩が霞ちゃん見たって言っててさ」

「…うん。けど、女の人と話してたみたいだったから」

「女の人?」

「派手な、感じの」

「あぁ、あの時か」

「…あの人、誰?」

「……」



問いかけた一言に、その動きは一瞬止まる。