「ていうか春樹、アンタこの前女と歩いてたでしょ」

「女…あぁ、霞ちゃんね」

「霞?誰よそれ!彼女とか言わないでしょうね!」

「はいはい、違うから。俺には冬香さんだけですよ」

「……」



…え?



何、それ

その人、誰?

ねぇ

違う、って

その人だけ、って

どういうこと?

どういう、こと?



「…、」



浮かぶ沢山の疑問を問いただすことなく、その光景に私は中へ入るのをやめ、お店を後にした。



「…あれ、」

「?どうかしました?」

「いや、今ハルの彼女来てたけど…帰ったみたいだぞ」

「…?」