―中1・春。
私、藤橋郁夏(ふじはし いくか)。
今日は中学校の入学式!
「郁!おはよーっ!」
「莉央!おはよー」
私に元気に挨拶をしてきたのは
同じ小学校出身の宮野莉央(みやの りお)。
莉央は私のことを「郁」と呼んでいる。
私はみんなにも「郁」か「郁ちゃん」と呼ばれている。
莉央が綺麗な黒髪をなびかせて走ってきた。
髪が元から茶色っぽい私とは正反対の髪。
身長は私と同じくらいで160センチよりちょっと小さいくらいかな。
家が近所で私の親友!
「郁、制服似合ってるー!」
「照れるからやーめーてー(笑)」
「照れた顔にキュン!(笑)」
…このようなアホな会話が多々あります。
お気になさらないように。
私達はクラス分けを見に行った。
この中学校は町に1つしかないからたくさんの小学校から人が集まってくる。
1学年に300人くらいいるらしい。
「あ、郁!一緒のクラスだよー」
人数が多い分、知らない人も多いから不安だったけど、それなら安心!