そして、私が向かった場所は祖父母のお気に入りの庭。

「あぁ~暇すぎる!」
そう叫んでみるが、何も起こらないし、誰も来ない。なぜかって?それは、祖父母の家が広いから。

私の親戚一同はみんなお金持ち。何か、あったらお金で解決させようとするくらいなのだから、家は地域の中で一番大きい家。
で、親戚の中で一番大きい家が私の祖父母の家。2番目が、私の家って事なのです。

「はぁ~」
ため息を一つついて、私は芝生の上に転がった。

「ため息つくと、幸せ逃げちゃうよ?」
私が転がってすぐに、聞こえて来た声。私は一瞬びっくりしたが、すぐに誰だか分かり、
「幸せなんて、とっくのとうに、逃げちゃ・・・。」
たし。っと言おうとしたが無理だった。その理由は・・・

「チュッ!!」
いきなり現れた人にキスをされたから。
そう。この人こそ、私の初恋の人だと思う人物。一部 咲万。私の一つ年上で、背が高く、かっこいい男の子。だけど、寂しがり屋で、弱虫な男の子。

「いきなり、現れてキスなんて反則だから!」
私はそう、声を上げて咲万を怒った。
「反則でも、もう貰ったし!千夏ちゃんのほっぺ!」
何故だか分からないが咲万は、私の前では弱虫なんかでは無い。だから、なのか周りの人達が、咲万の事を「弱虫」なんて読んでいる理由が分からない。

「千夏ちゃんの隣、もぉ~らい!」
咲万はそう言って私の隣に腰を下ろした。