さっき、確かに声が聞こえたんだけど。

 いろいろなコードに繋がれ起き上がることができないが、見渡す限り、さっきの会話からもこの場にいるのが四人だけだということがわかる。


「もう、母さんにどれだけ心配かけるのよ。助けてくれた人に感謝しなくちゃ」

「助けてくれた人?」

「そうよ、その人は怪我をされたみたいでどこに運ばれたのかわからないけど・・・」


 そう母から言われた時、また少し記憶が戻ってくる。
 
 「明日から検査をしよう」と担当医と看護師が病室を出ていき、母は荷物を取りに行ってくると言い病室に一人きりとなった。

 私を助けてくれた人。
 無事・・・だろうか。


『まぁ、生きてはいるようだな』