ダムッダムッ。 床にボールをつく音が一定間隔で聞こえる。 深く深呼吸をし、息を整える。 瞳は真っ直ぐゴールを狙い、決して放すことはない。 そして膝をグッと曲げ、腕を勢いよく伸ばし、ボールを解き放った。 あの日見た光景が、今目の前に甦った。 ―ゴールがきれいな弧を描きながら、ボールに吸い寄せられていく光景が―