ゴールに入ったボールはそのまま床に落下し、音をたてた。


「どうだった!?今のシュート」


シュート体勢に入ったときとは、また別人のように変わった海道くん。


「全体的なバランスは・・・マル・・・でも、そのままシュートを続けると・・・右足を痛める」


「右足・・・?」


本人にはわからないだろうけど、高く跳ぼうと意識するあまり無意識のうちに右足に力を入れている。


「・・・無意識に力がはいってる。・・・いつから・・・この練習してたの?」


「先月から」


「こっちに来て」


海道くんの手を取り、体育館の舞台袖まで歩いた。