「あら・・・バレた?」
厨房に向かっていた足を止めると、パールが目の前にやってくる。
「何で、いーっっつも厨房に行くのよ!?」
腰に手を当てて、説教をするのはいつもの事。
「あなたは騎士団長なのよ! わざわざ厨房に足を運ばなくても、言えば侍女が持ってくるじゃない!!!」
なぜか、えらい剣幕で怒られる俺。
「えぇ~・・・厨房で摘み食いしたり、料理長の新作の試食が楽しみなんじゃないの~」
厨房に足繁く通っている理由を言えば、パールは項垂れて肩を落とす。
「はぁーっ・・・」
盛大な溜息をついた後、俺の腕に手を回してくるパール。
「な、何かな~?」
「ヴァイスも朝食はこれからなんでしょう? 一緒に食べましょうよ!」
にっこり笑って、朝食のお誘いをしてきた。