「…え、へへ、ごめん、言いそびれちゃった…」
私はぎこちなく笑って桃香の反応を伺った。
「……そっか、三宅くん、また女の子と一緒にいたの?」
桃香はさっきと打って変わって、下を向きながら食べかけのパンを握り締めていた。
彼女の長くて、茶色い巻かれてある髪の毛が風で少し揺れた。
「…うん」
私は短く返事をして桃香から目線を逸らした。
真っ直ぐ前を向いて、桃香と目が合わないようにする。
人通りの少ないこの中庭は、私達の会話が無くなるとシンと静けさが漂う。
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