きっと、不倫の子だからってずっと1人だったんだろう。
弟さんのパーティーだから、行かないわけにはいかなくて。
でも、そこでも、全然話してくれる人はいなかったのかもしれない。
そんで、こんな広い家に、ほとんど1人で……寂しくないわけがないんだ。
「……ねぇ、翔太」
「ん?」
あたしは、翔太からもらったクローバーのペンダントを見て、そっと、優しい声で言った。
「クローバーの花言葉を、知ってる?」
梨華から、教えてもらったことがある。
花には、いろんな意味があること。
その中で、あたしが覚えてる中の1つ……クローバー。
「幸せ、とか……?」
「うん、そんな感じっ。あのねっ」
あたしは、翔太の耳元で優しく囁いた。