「ところで兄貴。兄貴の担当のナースさんって美人?」

「悠太君……」

いつの間にか、さっきまで翔太が読んでいたまんがを読んでいる悠太君。

「兄貴さ、染谷のお嬢様の居場所、知らないの?」

「……連絡つかねーんだ」

「そうなの? 麗華ちゃん、ずっと学校休んでるよ?」

「あぁ、知ってる。だから、親父もカンカンでさ」

「ふーん。兄貴さ、親父に言ったの? 真優ちゃんのこと」

「まーね」

「ど、どうだった……?」

「どーぞお好きに」

「へぇ、親父にしては意外」

「俺がもうあと数ヶ月だからだろ。つーか悠太、お前帰れ」

「なんで? まだマンガ読み終わってないんだけど」

「貸すから帰れ」

「俺が帰ったら真優ちゃんといちゃつくんだろ? わかってんのに帰るかよ」

悠太君の言葉に、翔太の頭には怒りマークが増えていく。

そんなやり取りがおもしろくて、思わずクスクスと笑ってしまう。