屋上に着けば、染谷さんはあたしの方を見て、あたしの両手を握った。

「え……」

「この前はごめんね、いきなり」

「い、いえ……」

「あのね、勘違いしてるかもしれないから言うけど、あたし真優ちゃんが嫌いなわけじゃないのよ? むしろ、仲良くしたいの」

「そう、なの……?」

「うんっ! だから、あたしのことも名前で呼んでよ!」

「麗華、ちゃん……?」

あたしがそう言うと、麗華ちゃんは嬉しそうに笑った。

「ねぇ、真優ちゃん」

「ん?」

「教えてあげよっか」

そう笑う麗華ちゃんは、さっきまでと少し違って。




「あたしが、なんで転校したのか」




……聞いちゃいけない。

そう、自分の中でサイレンがなっていた。

でも、


聞けずには、いられなかったんだ。