かずさは、かやのいる台所へと逃げ込むと、すぐにかやの後ろに隠れた。

追い掛けてきた、力に向かって…
「アッカンベー!」

「かずさ!お前よくもっ」

力は、実の子供におちょくられていた。

「ちょっと!何やってんのよ二人共…」

その光景を見慣れたかのように、かやは呆れ顔で見ていた。


「かや!!聞いてくれよ!かずさの奴がオレの朝メシを仏壇に供えてたんだそ!!」


「まっ!?かずさ…そんな事したの?」

「さぁね〜〜。かずさ知らなぁいも〜〜〜ん」


プイっと、そっぽを向きながら知らん顔をした!

絵に描いたような、おてんば振りで悪ガキっぷりのかずさは、
まさに、かやの血を受け継いでいた。


「だけど、あなた…今日は診療所で食事するって言ってなかった?」

「ああ…その予定だったんだか、早く診察の方が終わってね」


「そうなの!それじゃ朝食も出来たしことですし一緒に食べましょうか」


「あれ??じ〜じは?」

かずさは、キョロキョロしながら、じ〜じの姿を探した。

『じ〜じ』は、力の実の父親で!今は医者業も引退し診療所は息子の力に任せ自分は自由気ままに老後を過ごしていた。


「じ〜じは確か今、庭の水まきと盆栽の手入れ中じゃないかしら?かずさ悪いけど次は、じ〜じを呼んできてもらえる?」

かやは料理を食卓に運びながら言った。

「は〜い★」


元気に挨拶しスキップをしながら、かずさは、じ〜じを呼びにいった。

その姿を恨めしそうに見ていた力

「…なんだよ…父さんを呼び行く時は、かずさの奴やけに素直だな!…オレの時はいつも…」

力は、少しぶすくれた顔をしながら食卓の椅子にすわる

(クスクス)

「だって、かずさは、
じ〜じが1番好きだからね」



数分後 かずさとじ〜じが食卓へとやってきた。