「かずさ!悪いけどコレを父(とと)の所に持っていってあげて」

「うん!いいよ。」


そう言って、かやが差し出した物は、おにぎりが2つと漬物が少々のった
お皿だった。かずさは、それをお盆にのせ又バタバタバタと廊下を走っていった。


かずさは廊下の突き当たり右の部屋に入っていった

その部屋にはガランとしていて人の気配など全くなかった。


人気(ひとけ)のない部屋から突如


チーン…!



かなしい鐘の音が鳴り響いた。

そして、かずさは静かに両手を合わせ

「父(とと)…ご飯だよ!」