「…っ!」

そんな時、車の窓から、一軒の建物が目に留まった。

この建物も、これまた昭和初期の匂いを漂わせる懐かしい造りの木造建てだ!

建物には
[佐野商店]
という看板が かかっていた!


『店…?』


どうやら、ここは島唯一の店のようだ。

力にとっては、【24時間じゃない!!品揃えが微妙な!コンビニエンストストアー】…っと言った方がいいのかもしれない場所だった!


調度、道に迷ってしまっているこの状況を、どうにかしなければならない!!

渋々 力は車を降り店へ向かった。


店の前には、意味不明な焼き物で出来たタヌキが[何でもあるよ]
と書いてある看板を持っていた。


どうやら田舎の店には
意味不明な物を置きたい衝動でもあるのだろう。


そのタヌキの隣には、アイスBoxが置いてあり、そのアイスBoxを一生懸命覗きこむ少女がいた。


島の子供なんだろう…。

確かに今日は、やけに暑い日だった!クーラーの効いた車から降りた力の顔からは、父親ほどではないが汗が流れだした。