朝の7時半

月島家の朝食が始まった。



食事中、じ〜じがいつもと違う事に気が付いた。

「ん…っ?かずさ?」

「なぁに?じ〜じ?」

「今日はやけに、ゆっくりと食べとるな?いつもは、誰よりも早く食べ終わって学校行っておったのに…。お腹でも痛いのか?」

かずさの顔を心配そうに覗きこむじ〜じだった。

引退したとはいえ元日本一と言われたほどの医者だったじ〜じは、少しの異変でも直ぐに気が付いてしまう。

「ううん!別に〜〜っ」

じ〜じの問い掛けに、かずさは迷い箸をしながら答えた。

さっきほどの朝の光景を見ていれば、かずさの体調は、すこぶる順調である!

しかし、その光景をみてないじ〜じは知らないのだ。

「そ…そうなのか…?それならいいんが…だったらそんなに、ゆっくり食べてていいのかい?
学校に遅刻してしまうよ」


今は8時すぎ…。


いつもなら、8時には家を出ていた

しかし今日のかずさは、まだご飯を食べていた!


「今日学校ないもんっ」

「え?ない?」

じ〜じの箸がピタリとまる。

「今日は、なんかの祝日じゃったかな?」

じ〜じは、今日は何かあったかなぁ〜っと思い考えだした。

「いいえ!それがですねお義父さん今日から一週間学校が休校なんですよ」

かやが、力のお代わりのご飯をよそいながら教えてくれた。

「休校??!」

ポカンとするじ〜じに、力も教えてあげた。

「昨日から、かずさ以外の全校生徒が風邪でダウンしたんだよ!だから今日の朝から、その生徒さん達の診察をしてきてたんだ。」


「ほ〜…かずさ以外の生徒さんがね〜!」

そう言えば朝、通学する島の子供達の元気な声が、今日は聞こえてこなかった!