しばらくして綺羅がマネージャーと戻ってきた。
『今日の撮影は終わりだ。帰るぞ。』
『は…?でも…』
『…んな怪我してんのに撮影なんてさせられるかよ。』
『……ありがと。』
『あ…あれだよ。お前のためじゃなくて中途半端な事されると俺様が迷惑なだけだ。』
なんかムカつく…
でもまぁ今日だけは…そんな俺様に感謝しておこう…。
車はマネージャーが運転していて、車内はいつも沈黙。
でも今日は、珍しく綺羅が口を開いた。
『吉川から聞いた。』
『…は?』
『セットの下敷きになったって。』
あの女スタッフ…吉川っていうんだ…。
『…そう。』
綺羅に全部話したんだ…。
『吉川の腕から血でてたから、何があったのか問い詰めた。』
あぁ…綺羅が無理矢理言わせたのか。
って…
『…怪我してたの?』
『……お前でもそんな顔すんだ。』
何それ…
どんな顔してるっていうのよ…