「でも……俺じゃダメなの?
椋雅じゃなきゃダメなの?」
「耀雅…」
私の気持ち、耀雅は知ってたんだ……
知ってて知らないふりをしてくれてたんだ……
耀雅の気持ちはいつも見え隠れして分からない。
本心なのかどうかすらも…。
けど、今の気持ちは本当だって信じてもいいのかな…?
耀雅の少し震えてる腕と、小さくなった声。
ここまで伝わってくる耀雅の心臓の音。
私と同じくらい早いから…
「俺の方が莉桜のこと好きなのに…
それでも莉桜は椋雅を選ぶの?」
切ないほどの耀雅の声。
それは私の胸をギュッと苦しめる。