確かに…
メガネをかけてても分かるくらい綺麗な顔してるけど。
ここまで騒ぐ必要ある!?
図書室は本を読んだり借りたりするための場所であって、不純異性交遊する場所じゃないんですけどね!
そんなわけで、
わたしは藤岡先輩が嫌いだったりもするんだけど…。
何より、
わたしが藤岡先輩を嫌う理由はあの作られた笑顔。
笑っているのに、
彼の瞳は冷めていて
相手を見ていないようで…。
あの笑顔の裏で、本当はどんな事を思ってるんだろうって考えるとなんだか恐ろしく思えて…。
あんまり、
関わりたくない相手だな…。
「…え」
ふと視線を手元に戻すと、
本をとろうとしてたわたしの手が、横から誰かの伸びてきた手にそっと触れていた。