「あぁ、佐々木さん。また来たんだね」
「…こんにちは」
笑顔で話しかけてきたその人に適当に返事を返して、逃げるように奥の本棚に向かった。
さっき話しかけてきた人は、
図書委員の2年生で、名前は藤岡瞬。
わたしと同じメガネをかけていて、なかなかの長身な人。
ただ、メガネは同じでも
わたしと藤岡さんは全然違う。
理由は…
「藤岡くぅーん!本借りたいんだけどぉ。オススメの本とかってあるかなぁ?」
「あっ、ずるぅーい!
あたしにも教えて?」
こういうこと。
とにかく藤岡先輩は
モテるモテるモテるわけで…
ほんと、
藤岡先輩が当番の日は
図書室がうるさいのなんのって…。