わたしが答えに躊躇っていると、彼が見かねたように優しい口調で話しかける。
「じゃあさ、お試しって事で付き合うのはだめ?」
「お、お試し…?」
「そ。一度俺と付き合ってみて、もし好きになれなかったらキッパリ振ってくれていいから…ね?どうかな?」
ええっ!?
いきなりお試しとか言われても…。
恋愛なんて…
今までしたことないし。
だけど…
わたしはまだこの人の事を全然知らない。
という事は、好きになる可能性はあるかもしれないってことだよね?
どうしようかと悩みながら、ふと彼を見上げてみるとにっこりと柔らかい笑顔を向けてくれた。
その表情に、
一瞬ドキッと胸が高鳴る。