「背が高くて、こーんなで…」
葵がその男の色々な特徴を言ってる。
うーん…
うーん…
「…あ‼もしかして…」
もしかして陸のこと⁉
私、よく陸と二人で遊び行くし…。
「やっぱり心当たりあんじゃねーかよ」
葵はふてくされてそっぽを向いてしまった。
「ち、違うって‼ほら、これでしょ⁉」
私はいつしか陸と撮ったプリクラを見せた。
「そう‼こいつだよ‼」
「これ、私の弟だよ」
「えっ⁉」
葵は心底驚いたようだった。
「…じゃあ、俺の勘違いで俺ら、こんなことになったのか…」
「ははっ」
本当、恋愛って上手く行かないよね…。
それでも、
どんなに上手く行かなくったって、私は貴方が大好き。
愛してる。
その時の私たちはずっと一緒にいられると思っていた。
あのことがあるまでーーーーーーー…。
ーーーーーーー…
「ふんふ〜ん♪」
冬休みに入って私たちはデートの計画を立てた。
あの日、誤解を色々解いた日から私たちは毎日ラブラブしてた。
葵の女遊びも終わって私たちは本当に幸せだった。
すぐに冬休みに入っちゃったから、本格的なデートは今日になった。
これから葵に会えるだけで嬉しくてはしゃいでたら陸に「うるさい」と一喝された。
目一杯おしゃれしていつもはしない化粧も少しだけして、髪の毛も巻いて、完璧だった。
集合時間の10時より一時間も早く家を出た。
待ち合わせ場所は駅前にある公園だった。
公園で待ち合わせしてから、二人で水族館に行こう、っていう計画だった。
私は公園のベンチに座って葵を待った。
この、彼氏が来るのを待ってる時間ってドキドキするっていうか、わくわくするっていうか…変な感じなんだよね。
そんでもって、どこから来るのかな〜なんて、辺りを見回しちゃったりしてさ。
あーもう
早く葵来ないかなぁ…。
「…愛梨‼」
あ、葵だ!
私の愛する人が正面から走って来るのが見えた。
「ごめん、待った?」
「ううん、大丈夫だよ」
この、カップルらしい会話!
嬉しくてたまらなかった。
「じゃあ、行こうか」
葵は私の手を握って駅に歩き出した。
ーーーーーーーーーー
「わあ、綺麗‼」
水族館のクラゲゾーンに私は釘付けだった。
色鮮やかに光を発光しているクラゲが可愛くてしょうがなかった。
「もう、いいだろ。次行こうぜ」
「もう少しだけ‼」
なんだかんだ良いながら葵は私のわがままに付き合ってくれた。