…夢を見ていた。 とっても幸せな夢。 穏やかに微笑む葵の腕には可愛らしい赤ちゃん。その隣に俺は当然のような顔で寄り添っている。 俺の思い描く未来だった。 叶えることだってできたはずだった…。 ふと目を開けて、机の上を見ると。 ―−ごめんね。今までありがとう。大好きだったよ。 葵―− そのメモを見た瞬間、涙が溢れた。 どうしようもなく胸が痛かった。 葵。 葵。