「おはようございます。」
『ああ、おはよう。』
恰幅がよく、いかにも猟師のような容姿の通称大さん。
『今日は、先生の締め切りだがな、さっき電話が来た。』
顔をしかめて、こちらを伺うようにしてみる。
「早く言ってください!大さん!」
『お、おう。悪い。
その、なっ、あれだ。
先生いわく、星川さんじゃないと原稿は渡さない。とのことだ。』
「はぁ、分かりました。
じゃあ何時にとりに伺えばいいですか?」
『それはいつでも良いらしい。ともかく、お前が来れば良いんだと。』
「わかりました、じゃあお昼ごろに行くとお伝えしておいてください。」
『悪いなー。本当は俺が行くものを。』
「…いつものことじゃないですか。」
『まぁ、そうだな。』
そう言って、恰幅の良い体を揺らしながらゲラゲラ笑う。
つられて私も少し笑ってしまったのは不覚だ。