『ママとパパの恋のおはなち、
すみれにおしえてっ。』






ひざの上に座る愛しい我が子に迫られて、
一瞬ためらう。




『だれにも、ないちょにするよ!』




「まったく、女の子はおませちゃんで困るわ。」





感慨にふけると同時に、
もうあきらめて本棚に向かう。




一冊の本を手に取り、我が子を抱きかかえ座りなおして本を開く。





「パパが書いてくれた本にパパとママの恋のお話が詰まっているわ。」





『ママ!よんで!よんでっ。』






「でも、ちょっと難しいから、ママがこの本どおりにお話していくわね。」






『うんっ。』
                                        
腕に収まる愛娘に何処から話そう。



「ママとパパはね……、