階段を2、3階登ったところで"歌姫"の歌声が止んでしまった。
あともう少しだったのに…

はぁ……とため息をつくと私は階段に座り込んだ。


こんなチャンス、もう無いかもなぁ…







「おいっ!?どした!?具合でも悪いのか!?」


急に声が聴こえてきた。
階段に座り込んでるから具合悪いと思われたらしい。
バッと顔をあげるとすっごい近いところに顔があった。


「……うあっ!?//////」

男子……っ!!?/////
昔から男子とはほとんど話したことのない私はビックリして動けなくなった。


「ん?顔が赤いぞ?熱でもあるんじゃないか!?」


近い近い近い近い近い近いぃぃ!!
どんどん近づいてきてる…!

気づくと鼻と鼻がついちゃいそうな距離まできていた

「う…あ…だ、いじょ、ぶです…っ!///」


「さっきよりも顔が赤いぞ!熱が上がってるのか?」

私の熱をはかろうとしたのか、
私のおでこに自分のおでこをつけてきた



………っ!/////




ドンッ!








「うおっ!」





はっ……突き飛ばしてしまった…
謝らなきゃ……っ
で…でも…怒られたらどうしよう…。
とりあえず目だけでも合わせなきゃ!



「あ…あの「突き飛ばせるほどの元気があるなら大丈夫だな!」えっ…?
…あの…怒ってないんですか…?」

「ん?何処に起こる要素があるんだ?」

「だ…だって…突き飛ばしちゃったし……」

「…。ははっ!気にすんな!女子に突き飛ばされたくらいでひるむほどやわじゃないさ!!」


なんて優しい人なんだ……っ!
男子にはこんな良い人もいるんだなぁ。