――けど、
世の中ってやっぱり上手くいかないものなんだって思ったのは、
涼太くんが告白されている姿を見たときだった。
たまたま何か飲み物を買おうと自動販売機に近づいたとき、少し遠慮がちな聞き覚えのある女の子声が聞こえてきた。
…あれ?この声って…
不思議に思ってこっそり覗きこんだ先にいたのは…
ウチの大学の1年生マネージャー、たしか、中野ちゃんと…………
涼太くんだった。
『あ、あの、私、多良大マネの中野って言います、実は、前から桐谷くんのこと気になってて…よかったら付き合ってください!!』
そう言い放ち、顔を赤らめてチラリと涼太くんを見つめる中野ちゃんは、スッゴク可愛くて…。
なんだかいたたまれなくなり、私は、すぐにその場を立ち去った。