「素直なゆなちゃんにご褒美あげようと思って。」


「……はい?」


意味の分からないことを言いながら、笑顔で近づいて来るヤツの胸を押し返し、必死に抵抗を試みる。


が、

そんな抵抗が効くはずもなく…。



ちゅっ



おでこにキスをされてしまった。


セ、セーフ…。

もし、私が俯かなかったら完璧口だったよ!


「はい、ご褒美。」


「…はぁ…。」


言い返したい気持ちは山々だが、
焦る私など気にもとめずニコニコと胡散臭い表情を浮かべているコイツには、何を言っても無駄であることを既に私は学んでいるわけで…。


ただただため息しか出なかった。

それに込められているものが、怒りなのか、呆れなのか、羞恥なのかは自分でもよく分からない。