一緒にいた俊輔と英俊は、突然の険悪な雰囲気に戸惑っているようだったが、どちらも口をはさむことはなかった。

レイナが諦めて、帰るまでは。



「どうしたの?
けんかでもした?」



レイナが帰った途端、今まで口をつぐんでいた英俊が口を開く。

一瞬洗いざらいぶちまけてやろうと思ったが、いまだ考えがまとまらない俺は一言も発することができず、ただその場に立ち尽くした。



「......とりあえず移動しませんか?
ほら、こんなところにいつまでもいると、他の人にも怪しまれそうだし」



俊輔からの提案にも返事を返さずにいると。

黙り込む俺を見て、英俊と俊輔は顔を見合せたかと思えば、次の瞬間に両腕を二人にホールドされて、歩かされ、結局は俊輔の部屋に連れ込まれた。