翌日、いつものように仕事をこなし、俊輔と英俊と共に、日付が変わった深夜に宿舎に帰宅すると。



「あれ?レイナちゃん」



宿舎のエントランスのところに、なぜかレイナがいた。

炎彬くんに会いにきたの?と、事情を知らない英俊がのんきに声をかけると、控えめにレイナはうなずく。



「何しにきたんだよ。
昨日の今日で、よく顔出せたな。

宿舎まで来られると迷惑だ、人に見られるから早く帰れ」


「ごめんなさい......、でもっ!どうしても、もう一度話がしたくて」


「俺は話なんてない」



以前までの、昨日までの俺なら、レイナが宿舎にきてくれたのなら、喜んだだろうが、今はただむなしいだけだった。

別に今さら謝ってもらっても嬉しくないし、正直顔も見たくない。


顔を合わせてしまえば、やはりまだ俺はレイナのことが好きだと思ってしまうし、冷たく接していないともう頭がおかしくなってしまいそうだ。

だからもう、会いたくなかったのに。