「そうか、興味もないのに俺の話に付き合って、ご苦労様だったな。

何の目的があったのか知らないけど、そんなに楽しかったか?
浮かれる俺を見て、楽しんでたんだ?」


「ちがっ......!」



遠くからは俺を呼ぶマネージャーの声が聞こえたが、それを無視して話を続ける。

自分でも驚くぐらいに冷たい声で。

即座にレイナは否定しようとしたが、それを聞いて自分でも制御できないくらいの怒りがこみ上げてくるのを感じた。

本当だと自分で言ったくせに、今さら言い訳か?



「何が違うんだよ!?
何も違わないだろ!

人の知られたくないことを利用して、近づいてくるなんて最低だな」



感情のままに怒鳴れば、おびえたようにびくっとしたレイナに一瞬罪悪感が生まれるけど、すぐにもっと言ってやってもいいくらいだと思い直した。



「炎彬!?何やってるの!?」



まだまだいい足りないぐらいだったが、俺の大声が聞こえたようで、慌てて駆けつけてきたマネージャーに引きずられるようにその場から引き離される。


その後、立場をわきまえろとか、あれほど急に大きな声を出すなと言ったのに、とマネージャーに説教を長々とされたが。

終始、上の空でそれを聞いた。


そんなもの、とてもまともに聞いていられる心境じゃなかったから。

なんだか混乱して、悲しいのか、腹が立つのかも分からない。