夜な夜な怪しいサイトの徘徊をしつつ、レイナへのアピールを続けていたある日。


一人でのラジオ収録を終えて、マネージャーと合流しようと廊下をうろついていたら、声をひそめたような女の声が聞こえてきて足をとめる。


あれは......レイナと、もう一人はうちの事務所のアイドルか?

レイナも収録だったのかと声をかけようと歩みよると、彼女たちの話が聞こえてきた。



「レイナもやるよねー。
興味もないのに、興味あるふりして近づいたんでしょ?」


「......そうだね」


「それでどうなの?炎彬さん」



なんの話をしてるのかと思えば、......俺?

二人とも声をひそめているので、断片的にしか聞こえてこないのがもどかしい。

なんだよ、どういう意味だよ。
興味もないのに、って。



「全然だめ」


「そうなの?炎彬さんの趣味ばらしちゃえば?
そのために近づいたんでしょ?」


「そうだけど、それはさすがに......」



......は?
俺の趣味を、というか弱味をバラすために近づいた?

どういうことだよ......!?