大好きでした。 ∼Another Story∼

「あ、あのさ・・・。
ううち、ずっと前から、
渡邉のことが・・・。」



「す、好きなの!!」





「ごめん。気持ちは嬉しいけど、
まだ、俺 付き合うとか考えれないから。


俺らまだ小学校卒業しただけじゃん。
付き合うとかそういうの考える年じゃない
って言うかね。」

「あっ。そうだよね。
ごめん。今の忘れて・・・

また、中学で・・・。」


タタタタ・・・・。
あぁ、振られちゃった・・。
振られるって思ってたけど
やっぱり、ショックだなぁ。

それに、逃げるようにきちゃったけど、
中学いったら、めっちゃ気まずいじゃん。

って、いうかいつの間にか家だし。
有紗にバイバイ。
言えなかったし・・・。



あぁ・・・ほんと最悪・・・。

でも・・・うち・・
本気で渡邉のこと・・・




大好きなんだよ。
はぁ・・・。
中学3年間、今日で終わりなんだ。

あたし吉田咲月、15歳はそんなことを
卒業式中にしみじみと思っていた。

・・・でも、中学3年間で変化ってあったのかな?
だいたい小学校からの上がりだし、
新しい友達と言っても、転校してきた子と、
隣小の30人くらいだし。

さらに言えば、隣小の子のうち10人くらいは、
幼稚園一緒だったし。

あんまり周りの変化はなかったんだなぁ。

まぁ、先生は変わったり、
授業は小学校の時よりは難しかったけど・・・。


まぁ、それはそれだったし・・・。

自分自身で言っても、
小学生の時よりも落ち着いたことと、
一人称が“うち”から“あたし”になったことくらいだもんなぁ。


あぁ、なんか考えても変化少ないなぁ。
恋とかすれば、
変化もあったかもしれないけど、

あたしは、未だに“渡邉”のことが好きで、
でも、小学校の卒業式のあれが気まずかったのと、
3年間同じクラスにならなかったことによって、
話すこともなく、卒業式になっちゃってるわけで、
ある意味 変化がなかったのかなぁ。

そういえば、渡邉 高校何処行くんだろ?

はぁ・・・・。
卒業式中なのに、なんか別の意味で
虚しくなってきたよ。
「―――――えーと。
みんな卒業おめでとう。
先生は、みんなと一年間過ごして―――――。」


はぁ・・・先生 話長いです。
早く終わって帰ろうよ。

式 終わった後のSTまだやってるのうちのクラスだけだよ。
ほら、校庭の方見ると2組と3組の生徒が、
写真とか取ってるよ。


「――――本当に、みんな卒業おめでとう!」

やっと、終わった・・。

「じゃあ、最後の号令を。」

まだあるの?

「起立!気をつけ。」
委員長が泣きながら、言ってるよ。
「さようなら」

「「「さようなら!」」」

んん・・・終わった。

「咲月、早く校庭 行こっ!
玲奈たちまってるよ!」

あっ、うん。
「行く行く。」

あたしは、教室から出て友達と一緒に、
校庭に向かった。

ん?靴箱に、ふせん?

“体育館裏に来い”?
誰から?もしかして果たしあいとか?
・・・って、あたしケンカしないんだけど・・・。

「咲月?早く!」
あっ・・・
「ごめん。さっき、行ってて。」

「えっ?なんで、忘れ物でもした?
まぁ、いいや。早めにきてよ!」

「うん。」
そしてあたしは、あのふせんに書いてあった
体育館裏に来たのだった。


「・・・。」

誰もいないんですけど。
もしかして、誰かわからない人に、
馬鹿にされた!?

・・・ありえない。
何処の誰か知らないけど、
本当にひどい。

もう戻ろう。
玲奈たちのとこ行かないといけないし。

「あのさぁ。吉田!」
うん?あっ、もしかして呼び出した人?
っていうか、声で誰なのかは分かるんだけど・・・。
「何?陽太。何か用?もしかして、呼び出したの陽太?」
「はぁ?俺、おまえのこと呼び出してねぇよ。」

は?じゃあ、誰よ?

「ん?まぁ、呼び出しは知らないんだけど、
おまえ、佐々木の卒業式の日 わかるか?」

・・・有紗の?

「ごめん。知らない。」

「あぁ、そうか。まぁ、いいや。」
言うだけ言って、陽太は行ってしまった。

「・・・。」

やっぱ、あたしも行こっ。