「だから~、これはクラスの子たちからのプレゼントだって」

「じゃなくて。この間、結奈の誕生日の時に言ったでしょ? 僕の誕生日も秘密基地で結奈と祝おうねって」

「あ」


 琥珀色の瞳が淡く輝き、吸い込まれそうになった。

 赤くなった顔を隠すため、あえてムスッとなりながら、「珀、ハッピーバースデー」と、私はせめてものハグをプレゼントした。

 海外生活が長かった義父と帰国子女の珀のせいで、私たちの家ではハグが習慣になっていた。

 留学経験のある母もすんなり馴染んでいたけれど、日本生まれで日本育ちの私はやっぱり照れてしまう。



「僕は今日が史上最高のバースデーだ」