暗闇を物ともせず、目を凝らして緑のどんぐりを探し続ける珀に私は尋ねた。


「え? どうしてそう思うの」


 珀は身体を伸ばして私を振り返り、不思議そうに笑った。少し考える素振りをして、前から思っていることを口にする。



「だって、ウチ、普通の家族じゃないから。お義父さんは、私の本当のお父さんじゃないし、お母さんは、珀の本当のお母さんじゃない。私と珀は、姉弟なのに血がつながってないし。どう考えても普通じゃないでしょ? それってとっても不幸よ」



 そうだ。私と珀は最も不幸な子供なのだ。この世の中で。