広大な景色から流れる秋風を肌に感じて、ウッドチェアに揺られていると、麦わら帽子に長靴姿のグランパが「ヘイ」と手を挙げた。


「結奈、君宛に日本から手紙が届いている」

 首元に巻いたタオルで汗を拭い、青と赤で縁取られたエアメール用の封筒をグランパが差し出す。


 にっこり笑う彼の瞳は、日本人の私とは異なる美しい金色をしている。



 その瞳を見る度に、奇妙な懐かしさが込み上がるのは、一体何故なのだろう。