「やまがみさん」

「何でしょう」

「もし、私がこれを飲まなかったら、どうなるんですか?」


 琥珀色に輝くカップの内側をじっとり見つめ、私は尋ねた。




「そうおっしゃられることを想定して、先ほどの一口には、私の独断で特殊な細工をしておりました」

「細工?」


 やまがみさんは、金色の瞳を怪しげに光らせ、試すように微笑んだ。