「結奈、そろそろ時間だ。残る一口を飲み干せば、君は目覚めることが出来る。そうなるよう、注文してあるからね。もちろん、飲むか飲まないかは、結奈が決めるんだよ」

 私は珀を見つめ、カップの中を覗き込む。



 この琥珀色の液体には、珀の想いが込められている。





 私への想いと……母への想い。

 珀は私と違って、母の本当の気持ちに気付いていた。



 珀は、皆に優しい。

 その珀の気持ちを、汲めない私じゃない。




 だけど、簡単に決心がつくはずないじゃない。