「このドリンクは、全て珀様のオーダーに従って調合致しております。既にお分かりかと存じますが、ご覧になっている珀様の外見や声は、結奈様が一番親しみ易い頃のものに、とのオーダーがございました。また、神社公園のケヤキの樹液や、秋の松林などのフレーバーも配合し、独特の懐かしさをお楽しみいただけたかと存じます。更に残りの二口分は、珀様たっての願いで、趣向を凝らしました。どうぞご堪能ください」

 微笑むやまがみさんに金色の瞳で「さあ」と促され、仕方なく、また一口それを飲む。


 瞬間、ぱあっと、景色が一変した。




「?!」




 一瞬、何が起こったのか分からなかった。だってそこは……。







「珀の……病室?」