あの人は、いつも自分勝手に怒鳴り散らかして、私の気持ちなんて、これっぽっちも組んでくれなかった。

 私の話なんて、聞こうとすらしなかった。

 私をストレス解消のサンドバッグくらいにしか思っていなかった。




 そう。珀の言っていることこそ、現実味に欠ける。

 やっぱり間違っているのは珀の方。



「結奈。君が僕のお見舞いに来れなくなった本当の理由を知っているかい?」

「もちろん、知ってるわ」

 フンと鼻で笑う。



 他人に白い目で見られるのを、母が嫌ったから。

 母は、私のことを恥じていた。

 情けないと思っていた。




「結奈、僕はね。病気にかかってから、自分の外見が少しずつ変化しているのに気が付いて、怖くなったんだ。結奈が、骸骨みたいになった僕を見て、嫌いになるんじゃないかって。だから、お母さんにお願いして結奈を遠ざけたんだよ」





 え?