身体がぐらりと揺れる感覚があった。




「あ、結奈!」

 母の手が肩にかかる。


 サーッと、全身に小粒の鳥肌が立ち、私は母を全力で振り払った。




「結奈……」


 呆然とする母を睨みつけ、私は病室から逃げ出したのだった。