頭の中がパニックで、色んな感情がごちゃごちゃに絡まり、訳が分からなかった。
「結奈、もしかして、びっくりした?」
ピンと張り詰めた空気の中で、珀だけが、未だ私の姿を探しながら、のんびり笑った。
「ここんところ、あんまり暇だったから、夜遅くまで、本を、読み耽ってたんだよ。そしたら、目が、悪くなっちゃったんだ」
電話の時と同じ、途切れがちだけど、穏やかな珀。
私は少しだけホッとする。
病気のせいで外見は変わってしまったけれど、珀は、珀の心は、珀のままだった。
それが、小さな光となり、やっとのことで自分を立て直す。