「来週かあ。来月とかなら、行けたかもしれないけど、来週は、ちょっと、無理かも。結奈と一緒の班なら、楽しかったのにな」

「そっか~。なら、私もずる休みしちゃおうかな。珀がいないんじゃ、どこ行ってもつまんないし」

 チッチッチ、と珀が舌を鳴らす。

「結奈は、僕の代わりに、楽しむのが義務でしょ? そんで、旅の思い出を、躍動感たっぷりに、伝えてくれなきゃ」

「……そうだね、分かった。あ、いい物をお土産に買ってきてあげる」

「いい物?」

「ふっふっふ、帰って来てからのお楽しみ。あ、もうお母さん来るから切るよ」