その日は、朝食に珍しく母と義父が揃っていた。


 トーストにたっぷりのマーガリンとイチゴジャムを塗りたくる私を眺め、母がちらりと義父に視線を送った。
 
 それに応える様に義父が頷く。

 それを目の端に留めながら、私は高カロリーをひたすら摂取していた。



「結奈、食べながらでいいから、聞いてくれないか」


 義父は姿勢を正して改まり、私は義父の言葉通り、忙しくトーストを齧りながら頷いた。

 義父の口調はたわいもない感じで、さりげなく、手短だった。





「今日から、結奈は珀のお見舞いを止めにしよう」