ふと気がつくと、あたしはベッドに横たわっていた。

ここは保健室?


静かだった。

この部屋には、あたし一人しかいないの?

なんか心細い。

頭は痛いし、まだフラフラするし、寂しい……。


―――ガラッ

保健室のドアが開く。

「悪い、起こしたか?」

祥のその問いに、あたしは横に首を振った。

「まだ顔赤いな。まだ頭痛い?」

あたしはこくりとうなずく。

「なんか、冷たいもの持って来るから、待ってろ」

祥はあたしに背を向ける。

「待って……」

気付けば、祥の服の裾を掴んで引き留めていた。