「別に何でもない」

「でも、顔赤いぞ?」

祥に言われて、あたしは気付いた。

そういえば少し熱っぽい感じがする。

「……少し、頭が痛いだけ」

風邪引いたかな。

風邪の症状を自覚した途端、フラフラしてくる。

「おい、大丈夫か?保健室行こう」

祥があたしの身体を支えながら歩き出す。

あたしは祥の体を軽く押した。

「本当に大丈夫だから。すぐ治るし」

「そうは見えねぇっつーの」

そのとき、ふわりとあたしの体が浮いた。