「うん、とりあえず、紅茶いれてくるから待ってよ」


「私、時間がないんです」


私の言葉には取り合わず下の厨房に行ってしまった。


どうしよう…


店長が厨房に行ってから、かなり時間が経った。


駿が追いかけて来るわけないと思いながらも、もしかしたらって考えてしまって…


もし駿が私を探しに来たら…やっぱりもう、行こう。



今いる部屋を出て下に降り始めた。



階段を降りる音に気付いたのか階段の下から店長が顔を出した。


「汐里ちゃん今、紅茶持って行くから」


「ごめんなさい店長私もう行きます。
お世話に、なりっぱなしなのに勝手な事ばかりして本当にごめんなさい」


「ちょっと待って汐里ちゃん」



私は何段か下がった階段を戻りさっき入った玄関に向かった。