『今宵よりワタクシは猫又としての猫人生を歩むのです。人生とは何度もやり直しができるものでしょう?』




そして小梅さんは凛とした表情で言いました。



『ワタクシは、この世で一番幸せな猫です。時間になりましたので、これでおいとまします』




小梅さんはすっくと立ち上がると、茶の間を出ていきました。



それは美しいツヤツヤの背中に、すらりと伸びた尻尾が二本、ゆらりゆらりと揺れていました。






 
         <猫言葉>