「そう。ようやく、陵ちゃんに彼女が出来たのね」
「ちげーよ!」
そう言うと、陵は真奈美の腕を振り払った。
「親父さんに挨拶は?」
「まだなの。今から行くところ」
皐月が微笑んだ。
「俺らも帰るところだから、一緒に帰ろうぜ」
陵はそう言うと、皐月の隣を歩いた。
「あっ!陵ちゃん!彼女は?私なんていいから彼女の隣歩いてあげなさい」
和樹と2人で後ろを歩いてる、真奈美に聞こえないように言った。
「いいんだよ。別に。彼女じゃないし」
「また意地張ってー。せっかく出来た可愛い彼女でしょう?
優しくしてあげなくちゃ。ね?」
「彼女じゃないから。ほら、荷物」
陵が手を出すと、皐月がびっくりしたように陵を見た。